タイ在住者の老齢年金請求(第2回)

本人が日本国籍、配偶者がタイ国籍の場合

(第1回より続きます)今回は、請求者本人が日本国籍、加給年金対象者である配偶者がタイ国籍である場合です。

まず①戸籍謄本については、日本国籍である場合戸籍謄本はありますから、婚姻の事実も載っています。よって、夫婦2人ともが日本国籍である場合と何ら変わりません。

次に②世帯全員の住民票に代わるもの。この場合在留証明書では代わりとなりえません。なぜならタイ国籍である配偶者のことは在留証明書では証明できないからです。この場合タイには「タビアンバーン」という公的な書式があります。いろいろな日本語訳がありますが「住居(住民)証明書」と訳せるものであり、タイ国内では、日本における住民票的なつかわれ方をしています。

タビアンバーン(トーロー14)

・その人が所有している不動産に対して所有者は誰かを証するもの
・本人と、さらにその同居人の情報が記されている
・原本(本のような形状)は本人管理であり、その原本の内容を証する書面(いわゆる「写し」日本における住民票記載事項証明書的なもの)を、最寄りの役所(市区町村に相当)にて発行してもらうことが可能
ただし、タイ以外の国籍者の情報はここには載らない

この最後の点がポイントであり、つまり今回のケースでは、在留証明だけ、タビアンバーンだけではただちに住民票の代用とはならず、この2つの書類をもって初めて、世帯全員の住民票の代わりとなりうるということになります。

そして、この書類に限ったことではないですが、タイ語で書かれているため和訳文を付けることになります。今回私が取り扱ったケースでは、このタビアンバーン(トーロー14)の写しは、英訳文の発行も可能となっていました。

第3回につづきます